武内真美子 「女性就業のパネル分析配偶者所得効果の再検証」(『日本労働研究雑誌』 2004年 6 月号(No.527))

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/200406/200406h.PDF(PDF)
もともとは夫の所得と妻の就業確率における負の相関を示す「ダグラス−有澤法則」への再検証を行っている論文。第6回労働関係論文優秀賞受賞論文。

仕事と結婚の「両立志向」を持つ女性は自ら就業確率がより高くなることが可能となる家庭を形成し、「専業主婦志向」の者はその逆の可能性にある可能性を示す。

ということで、「妻は夫の所得に左右されて就業決定をするとは限らない」という仮説を導いている。
興味深かったのは、(結婚時の妻の就業)志向別夫の所得の序列。こうなっている。(左が低く、右になるほど高い)
両立・子どもを望む<無行継続・子どもを望まない<就業継続・子どもを望まない<再就職・子どもを望む<専業主婦・子どもを望む
このあたり、志向が先か現実が先か、いろいろ考えてしまう結果である。